アンセルはデンマーク体操を愛好するグループです。

アンセル通信・コラム

コラム バックナンバー

第12回  (2021.8.13)

『アンセルの皆さんへ ― 体操と 日本と 私 ―』
キス オスタゴー(Kis Østergård)
1.生い立ちと体操との出会い
キス

私は1935年11月13日にデンマーク ユトランド半島中央部のヘアーニング市(Herning)ハムゴム(Hammerrum)で生まれました。 2歳と3歳上の兄がいました。一日おきに学校に通い、 小学校は3年半だけで試験はなく 、14歳まで自分の生活のために外で働いていました。 両親は自給自足 (野菜、肉、卵、牛乳)出来る程度の農業を営んでいました。余った 牛乳は乳製品加工工場へ、豚は食肉処理場に売っていました。 それらの売り上げで生計を立てていました。 我が家は他の多くの家庭より 貧しかったのですが、両親は私たちを愛してくれ、滅多に叱られることはなく幸せでした。私たちは農家の手伝いをしなければなりませんでしたが それはいつでも嬉しく、7歳の頃から自分は「小さな大人」だと思っていました。
父は体操のインストラクターでした。私は5歳 の時から体操のインストラクターになりたいと思っていました。
1951年に私は初めて体操グループを受け持ちました。2021年現在で70年指導して来たことになります。1954年にヴィボー 国民高等体操学校の生徒になりました。国民高等体操学校の教育が終わった後、教職専門学校(ゼミナール) が始まるまで学校に残り校長の元 で、家事手伝いをしていました。60年前になりますが、1961年に小学校教員教職課程が終わり、小学校の教師となり1週間に22 時間体操の授業を受け持っていました。5年後ヴィボー国民高等体操学校から教師にならないかと誘いを受けました。
私はこのヴィボー国民高等体操学校で25年間体操の教師でした。誰にとっても大きな価値のあることですが「グループで体操の練習する」 ことは私にとっても常に重要なことです。
その後ヴィボー自治体は1990年に全ての事務職のために体操グループを設立、そこで私は33グループ、週1回15分ずつのトレーニン グを受け持ちました。

2.日本との関わり、日本との出会い

1972年「ピープル トゥー ピープル」のツアーアレンジで初めて訪問したのが日本との出会いでした。
オレロップ国民高等体操学校のエリートチームは1931年以来、何度も日本を訪問していました。 1972年はヴィボー国民高等体操学校としての初めての男女合同チームの海外ツアーでした。私にとってその時の日本訪問は大きな体験になりました。
何故なら:
・ニールス・ブックは1931年の日本訪問で日本にデンマーク体操の道を開いたが、その後も日本人がデンマーク体操への強い関心と期待を持っていることを体験した
・ヴィボー国民高等体操学校と私たちインストラクター教育に対する関心が高いことがわかった
・1972年の訪日後、日本からの生徒がヴィボー国民高等体操学校に留学するようになり、日本人の生徒たちはいつでもデンマーク人生徒に良い影響を及ぼした
・日本人留学生はデンマーク語を学び、デンマーク語で指導することに熱心
・日本人留学生は、デンマーク体操を基本から学ぶことに集中するのでデンマーク人の生徒よりもより多くの学びがある
・原語でデンマークの歌を練習した日本人と、楽しい良い交流ができた

3.私の本 ”Favntag med Fallesskabet (コミュニティを受け入れる)” について

多くの人が私の過ごしてきた素晴らしい人生について執筆しないかと勧めてくれました。 今日、誰もが大きな試練に直面しています。 たくさんの人が 私の本を読んでくれていることで、みんなが私の人生に興味を持っていることがわかりました。
本の題名となっているFavntag med Fallesskabet はアンセルとの関わりにつながります。
Favntag 受け入れるとは
私はアンセルがいつも互いに全てのメンバーに愛情を込めて接することを願っています。
Fallesskabetコミュニティとは
地域活動に参加することは良い人生を送るための活力と勇気を与えるものです。アンセルでの経験から私達は“コミュニティを 受け入れる”ことを学びました。

4.コロナ禍にあっての活動

人の身体は加齢によって硬くなるということを実感しています。
それを踏まえて
・全ての主要な関節の動きを訓練する
・背中上部の筋肉を鍛える
・腹部の筋肉を収縮させずに鍛える
・臀筋―股関節―腰―足の敏捷性と強さを訓練する
歳をとった時に非常に重要なことの一つ は、体に対する頭の位置です。

高齢者は家に閉じこもっていてはいけません。外に出なければなりません。
私達はコロナの経験から屋外でトレーニングすることを学びました。 ウォーキングバイク(註)は森の中でトレーニングするためのツールで、 全身に良い効果があります。
座ってフィットネストレーニングや、上半身を鍛えたり、恐れることなくバランスを鍛えることができます。
デンマークでは(2021.4月現在)人と会うのは4人まで、となっていますが、オンラインレッスンではたくさんの人と 一緒に体操ができ、達成感や一体感を共有することができました。このオンラインレッスンにはアンセルメンバーも参加していました。
今年の冬は屋外でのトレーニングを活発にしたいと計画しています。どんな状況にあってもその時できることを模索して仲間と共に体力維持に励みましょう。
すべてのメンバーに感謝します。

ウォーキングバイク (註)ウォーキングバイク
デンマークの通常の自転車はハンドブレーキがなく、サドルが高く足がやっと地面につく高さ、ペダルを逆に踏み込むことで止まります。 転倒の危険が大きいので、日本の様に座った状態で足が地面につき、ハンドブレーキを付けた自転車が欲しいと以前から話していました。 今回ヤーンと一緒に独自の自転車を開発しました。
ペダルがなく足は地面にきちんとつく。ハンドブレーキが前輪にのみついている。走るときは足で地面を蹴り、エクササイズをする時は しっかり両足を地面について行うようです。

(訳・註 古川)

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