アンセルはデンマーク体操を愛好するグループです。

アンセル通信・コラム

アンセル通信

デンマーク・ツアーを終えて  
菊池 昭一郎

オールボーの空港に参加者全員が集合し、バスでスカーエンに向かうことから、今回のデンマーク・ツアーは始まった。スカ―エンからはビボーに向かう。 ビボーでは、キス先生のチームと共に練習・発表をし、懇親会を兼ねての夕食会も行われた。
 7月4日、今回のツアーの目的であるランズステウネの会場・エスビアに着く。ランズステウネでは、アンセル独自のプログラム、淳先生の基本体操、デンマークチームとの 合同発表の3種類の発表をした。特に日本チームとデンマークチームが一つになって合同で発表することは、これまでのランズステウネの歴史の中にもなかったことであり、 キス先生と古川さんの企画・協力と指導のお蔭であると思う。上手下手はともかく、デンマーク人と日本人とが和気あいあいと楽しく体操ができたこがとてもよかった。 ランズステウネの期間中は、天気にも恵まれ、よい発表よい経験が出来たと思う。
   ところで私は、突然の足痛に見舞われ、まともに歩くことも出来ず、責任ある立場にありながら皆さんの足を引っ張るばかりで、忸怩たる思いでいた。大事な旗手の役目も 果たせなくなったけれど、代わりに島村正樹さんが急な事にもかかわらず立派に果たしてくださった。ありがとうございました。
 また私個人としては、時間は限られていたものの、いくつかのよい体操発表を見ることが出来たこと、そして沢山のデンマークの友人に会えたことが嬉しかった。
 終わりに、今回のツアー(ドイツ旅行も含めて)について企画し、準備をして下さった係りの方たちに敬意を表し、そして現地において、キス先生をはじめリーダーシップを 取って下さった方たちと、サポートしてくださったリタさんとヤーンさん、ユリ・クリスチャン夫妻にも心から感謝します。
 またこの度のツアーでは、予定の急な変更や宿のこと等々、不測の事態がいろいろとあった。しかしそれらのことに参加者がお互いに譲り合い、助け合いながら対処し、 臨機応変に行動できることにこのグループの強さを感じた。 その後この40人近くのメンバーが、それぞれのルートに別れたが、皆さん支障なく無事に帰国されたことは、 何よりのことと思う。

アンセル5回目の旅
村松恭子

共に赤と白のデンマークと日本の旗。直線と曲線、赤地と白地、青空の下を寄り添って進む姿は、本当にきれいでしたね。
今回の大会運営は若者文化に照準を合わせたようなところが随所にあり、戸惑う場面もありましたが、現在から未来を担う若者の育成に力を入れるデンマークらしさを感じる ことでもありました。対する私達は「日本人のこのチームは60年前の体操を今も続けることでデンマークへの敬意を表している」とキスはメディアのインタビューに答えて おられましたが、歴史にこだわる気持ちが強いのかもしれません。
違う文化を持つ私達が、手をつないで行進し、ひとつのメロディで体操ができて、予想以上の感動がありました。
個人的には前回に次いで、娘夫婦に孫までもが関わらせていただき、足手まといになるのではと心配もしつつ、嬉しいことでもありました。お陰様で喜枝も元気で、 入場行進のマーチに合わせて踊り、全身でランドステウネを楽しんでいました。
再会を喜んで温かく受け入れて頂き、お礼を申し上げます。

由理は食事会の席でヤーンの「みんなとの再会を楽しみにしていた、サポートができて嬉しい」との言葉を伝えましたが、それは由理達も全く同感だった、発表のたびに 皆がぐんぐん輝いて、体操が好きな仲間なんだな、自分たちはそれをサポートとしている、としみじみ思い感動した、と言っておりました。
またキスに「ミスター曽我にぜひ聞いてみたいことがある」とよばれ、歌を使った今回の発表について、感想をもとめられたときのこと。(曽我さんの御主人は、声楽科を 出られた大学の音楽の先生です:編者註)曽我さんは、人は耳からの情報が多すぎると目からの情報は入りにくくなる仕組みなので、あのように静かな歌に合わせて唄うように 動くキスのプログラムは、人の注意を体操を見ることに集める、と話され、キスはわが意を得たり。最近は音楽のボリュームを上げて音で周りの雰囲気を盛り上げる様な発表 が多いことに一石を投じられた、曽我さんともぜひ一度一緒に仕事がしたい、「ドウモアリガトウゴザイマス」と日本語のお礼。キスの隣で由理も心からなるほどと感じ入った そうです。

クリスチャンはヤーンと事前にも連絡を取り合っていたそうですが、実際に会うのは4年ぶり。二人で色々相談して会場ではお弁当を乳母車で取りに行くことを思いつき、試してみたら水でも果物でも楽々運べて大成功。大喜びで「次回は二人乗りの大型で来いよ」とヤーンに言われた、とクリスチャン。静かな男二人、アンセルのために力を合わせ、気持ちも通わせて、大いにそれを楽しんでくれたようです。 8月後半からは、由理は新たに臨床検査技師になるためのコースに進み、クリスチャンは大学修士課程の勉強に戻ります。早くも盛りを過ぎた、思い出いっぱいの夏のデンマーク より、皆さんにくれぐれもよろしく、と伝えてまいりました。

言葉を越えた交流に自信を  
大塚 華子

私にとって二回目のランドステウネでした。実は皆さんの助けになるように、一年前にデンマーク語を学び直そうとトライしていたものの、そう上手くは進んで行かず、 デンマークに着いてしまい残念でした。
アンセルは体操を通じての仲間であるだけでなく、互いに思いやる絆が保たれている素晴らしいチームなんだと今回もまた感じることのできた良い旅でした。その連鎖は 、一緒に体操したデンマーク人達にも広がり、また向こうからも言葉にならない思いを受け取り、心からの交流がなされたという貴重な体験を私達は味わいました。
沢山の自信を身に付けたと思って良いと思います。
また新しく、歩みだすつもりで、日本の暮らしも大切に積み重ねていきたいと感じています。

一大プロジェクトを終えて
古川 幸子

 今回の会場は、37年前学生だった私が初めて参加した、思い出のエスピアだった。 前回これで最後と決めていたはずだったが、去年単独でデンマークに行った時に、 キスの「もしランドステウネ に参加するなら手伝う」との申し出に対し、「出るなら一緒に!」と言って別れた。それは思いつきのようであって、実はいろいろな意味があった。

1998年、キスの勧めでアンセルとして参加して以来5回目、変わりゆく大会を強く感じていた。日本からはるばるやって来た中高年が街の特設会場で練習してきたことを見てもらう 、というだけではない、何か意味のある発表をしたいという思いが強くあった。キスのグループは単独では参加しないだろう、長い交友関係にある人達と一緒に体操を発表したい という気持ちは自然な想いだった。
けれど“何でこんな提案をしてしまったのか”と今まで感じたことのない不安感に襲われたこともあった。“すごい一大プロジェクト、楽しみにしている”とデンマークの 級友からのエール。私が頑張らないでどうする、前に進むしか無い、と覚悟をした。

 

ところが4月にはキスから“年末から具合が悪く治るまで指導をしないことにした”と連絡が入った。頼みの木下澄代さんも体調不良、厳しい状況だった。これは一大事、 迷わず1週間行くことに決め、キスの回復を待って5月半ばに出かけた。直接デンマーク人に教えられた事はとても有益で木下さんも頑張って来て下さり、その後も多いに 助けられた。
発表の後、多くの人にどうやってお互いのプログラムを教えあったのかと聞かれた。 お互い練習風景を収めたDVDを交換しiPadやYouTubeも駆使、デンマークと日本、メンバーそれぞれが何度も動画を見て動きを確認した。文明の利器は凄い!
過去の大会参加では多くのメンバーが開会式に感動した。今回の大会自体ではそういった感動する場面は無かったが、デンマークの友人たちと一緒にスタジアムに立ったことは 皆、大きな感動を覚えたと思う。初めて一緒にビボーで練習した時は、それぞれの国に居ながら、DVDやYouTubeを通して既に知っている仲間、その共通の思いで練習、発表できた ことは双方にとって忘れがたい体験になったことだろう。

今回、もう一つ特別だったのは、インターナショナルの夕べに出演依頼があった事だ。ネットのプログラムには“世界のトップクラスのパフォーマンス”とあり“日本”という 文字はなかった。半信半疑で言われるままに曲のデータやコメントを送り、練習に揃えるように打ち合わせをした。デンマークの友人たちからは“チケットを買った、楽しみにし ている”とメールが来ていた。アンセルは日本のトップクラスのパフォーマンスを出来るのか?? 皆は萎縮してしまわないか、内心心配しながらも「堂々とやりましょう!」と いうのが精一杯。皆の度胸の良さには驚くばかり、私自身不思議と緊張しなかった。皆はニルス・ブック時代の体操を誇りに思っていたのか、出発前の淳先生の「大丈夫、自信を もってやってくるように」という激励の言葉が浸透していたのか、怖いもの知らずだったのか、とにかく楽しんで見事に立派にやった。
デンマークの若者達にはどう思われたかは分からないが、かつてデンマークに留学していたというコスタリカの大学の先生から、“デンマークには体操はもう無い、あなたたちを コスタリカに招待したい”とまで言われたことをお伝えしておこう。

 

今回の大会の形態は参加者主体ではなく観客動員を主としたかなり商業ペースに乗ったものだった。スマートフォン普及にあわせ、ネット主流の運営に費用を要したとのこと、 大会会場の森にバッテリー充電をする場所が何ヶ所も設置されていた。大会は若者中心、“全て上手く行ったわけでは無いが、若者が大きな体験をしたのは素晴らしい”と主催者 の挨拶に、若者を大事にしている国の政策を感じた。
いくら準備を良くしても大会本部と執行部の行き違いも多く、キスもヤーンも振り回された。クリスチャンも情報を集めるために気の毒なくらい走り回ってくれた。ユースホステル も下見をしてくれていたにも関わらず、シャワーの数が驚くほど少なく、お湯も満足に出ないなど、皆には大変な我慢を強いることになり申し訳なかった。

 

大会の前には待望のユトランド半島最北端に行くことも出来、大会後には係の準備に沿い、素晴らしいロマンティック街道の旅。ガイドさんに感心される程自立した グループ行動、全員が無事に帰国出来たことは感謝に堪えません。

 

アンセル全員(お留守番組も)ことにその中心になって下さったツアー委員の皆さんの理解、協力、惜しみない働きには言い尽くせない感謝の思いで一杯です。音出し、 国旗持ち、貴重品預かり、撮影隊、などなどサポートに回って下さった方々にもお礼を申し上げます。又新たな仲間が出来た事もとても嬉しいです。デンマークで準備から 実施まで、心もからだも全てを動員して私たちの為に働いてくれたヤーン、そのサポートをしてくれたリッタ、クリスチャン、由理ちゃん、体操の指導を助けてくれた 木下澄代さん、何よりも私のアイデアを受け入れて共同作業をしてくれた、キスそしてアンセルのみんなが居なかったら出来なかったことです。キスも私も指導者冥利に 尽きる体験をさせていただきました。どうもありがとうございました。

40歳代から80歳代までの平均年齢65歳。ドイツ旅行だけで言えば66.5歳。それぞれの力に応じて、助け役、助けられ役と代わり合い、2週間という密な時間を一緒に過ごしま した。時にはつらい事もあったと思いますが、みんなの善意に守られ、助けられて、楽しい旅が出来たのではないかと思います。 行く道であり、かつてそうだった自分、体操を 通して我を知り、自分らしく。お留守番組もみんなで一緒にまた体操を楽しみましょう。

ドイツ観光記
 西村 昌代・仲沢 栄子
7月8日:デンマークを後に、午後フランクフルトに到着。早速、貸し切りバスで市内観光。ゲーテハウス、大聖堂、街のシンボルであるレーマー広場等の見学。トライアスロンの大会後で広場の 雑然さは残念だった。

7月9日:待望のライン川クルーズ。リューデスハイム発で両岸には古城、ブドウ畑が連なり、天候に恵まれ、デッキで心地良く2時間余りを楽しんだ。途中、難所と言われるローレライ城辺りでお馴染みの ローレライの歌が流れた。船内にて豪華な昼食。ワイン、ビールで乾杯!!下船後、ロマンチック街道の起点となる街ヴェルツブルグへ。マリエンベルクの要塞の頂上から見た街並み全体が、淡いオレンジ で感激する。レジデンツでは世界最大のフレスコ画を見学。

7月10日:街道の中でも特に人気のローテンブルクへ。堅牢な石壁に囲まれた旧市街地は圧巻、町の名物シュネーバルを味見。1時間余りでディンケルスビュールへ。15世紀の木造建築である ドイチェスハウス(三角屋根の7階の木組みの家)まるでお伽の国!!ネルトリンゲンは1500万年前に落ちた巨大隕石のクレーターと云われる街、円形の街を市城壁が囲み、木組みの階段350段を 上がると街の全容が良く分った。さすがにアンセル、健脚揃い。ミュンヘンへ移動。

7月11日:1日フリー、其々のグループがトラムに乗り旧市街観光に。逆方向に乗り、珍道中!!マリエン広場、ペーター教会、レジデンツを見学。ヨーロッパ建築文化の集大成を見る事が出来感動。 昼食は名物料理シュヴァイネプラーテン(脂身の少ない豚肉のロースト料理)モチモチじゃがいも団子を、お勧めの店ラッツケラーにて満足、勿論ビールで!!

7月12日:アルプ湖を見下ろす絶景の高台、標高1,000mの崖に立つ白亜の城、ノイシュバンシュタイン城とホーエンシュバンガウ城。バロック・ゴシック・ルネッサンス等、あらゆる建築様式を 取り入れた豪華絢爛な城を1日観光。ミュンヘン最後の夜はドイツのビール会社のビアガーデンで盛り沢山の前菜、鴨のロースト、美味しいビールで乾杯!!!皆様お疲れ様でした。
ドイツ観光、楽しんで頂けましたでしょうか・・・   (ドイツツアー担当)

  • 日本の女子の体育の歴史を研究している。古川先生の指導の細やかさ、皆のチームワークの良さに心を打たれた。キスの指導法を学びたい。実りある大会だった。(S)
  • 50年来、学生時代からの夢だったので嬉しかった。アンセルのメンバーの寛容さ、たった半年で出場できたのはアンセルの大きさだと思う。(N)
  • 皆様の荷物番でも、と思ってツアー参加しましたが、いつのまにか体操メンバーに。練習不足で覚えるのがやっと、当日足を引っ張ることなく、ほっとしました。 エリートやナショナルチームの美しい演技に見とれ、またシニアグループの楽しそうな体操にこちらも心ウキウキ、 拍手喝采。 観客を引き込み一緒に楽しんでいるのを見て、 上手下手ではなく自分の気持ちを体で表現するのが上手だなーと思いました。青空の下、デンマークの方々との交流など、思い出は尽きません。暖かくメンバーに入れて頂き、 貴重な体験が出来ました。(K)
  • アンセルに入り6年目で初めてのツアー参加。見るもの聞くもの、只々ビックリ。各国の人とのふれ合い、入場前のハイタッチに感激!スタジアムに入場する時は、 オリンピックの選手になった気分。デンマークの人の、自国を愛する気持ちが感じられた。(O)
  • 地平線の果てまで広がる麦畑、 赤レンガの街並み 森林のさわやかな風・・・ デンマークの人達と一緒に体操をし、歌い、同じ時間を過し、観光では体験できない多くのものを見聞!すべてが初めて、誘って下さった皆さんに感謝。 マンゲタック(ありがとう) ビシース(また会いましょう)デンマークの友と言葉を交わし、あっという間の楽しい10日間でした。(K)
  • 皆に暖かく迎えてもらい感謝です。キスが素晴しい。声・姿・表情みんないい。アンセルも本番が一番良かった。ブラボー!!(S)
  • 出不精な私は、海外に行くことなく一生を終えるだろうと思っていたが、まさかヨーロッパとは・・・。初体験もはりつめた状態が続くと 驚きを通り越してボワ〜ンとなった2週間でした。フィールドで異国の人と手をつないで演技した事とか、異国の風景を観たことなど私の一生の宝として心に刻まれました。(M)
  • 長〜く何時かは、と思いつつ、介護で10年、やっとデンマーク遠征の旅の実現。 映像を見ながら練習したデンマークチームと、交流練習で気持ちが1つに。大会で島村さんが背筋をのばし国旗を掲げ、皆して堂々と行進。タジアム観客の拍手!鳥肌が立ち涙があふれました。 発表に自信を持って臨めたこと、達成感と共に、人生の大きな財産です。(S)
  •  
  • 街中の行進、公園での発表、閉会式の雄大さを楽しく思い出しています。お天気に恵まれ、良い旅が出来ました。(H)
  • ツアー4回目ですが、自分の年齢が増しているせいか、大会〜後半の旅行日程がハードに感じました。でもデンマークの人と一緒に発表したのは、 今までの大会参加の集大成として意義深い事です。(K)
  • 「どちらでも」と言いつつ、ご自分の楽しみに変えるのに積極的なKさん、Hさん。寝つきの良さに感嘆。それが「人生を愉しむ」秘訣かも。 デンマークとドイツのビールの美味しさに納得です。(N)
  • 私の体操人生の総括として参加。お手玉を落とす以外は皆様の足を引っ張らぬよう、気を付けた。デンマークの方との交流、素晴しいお仲間に支えられ、大いに楽しんだ15日間でした。(N)
  • 印象深かったこと。@メインスタジアムの出場直前まで、古川先生のオープニングのカウントが混乱し、皆プチパニック。なのに本番では確認していたのとは全く違うカウントで、全員ビシッと揃う。 まったく、みんなの心臓は毛むくじゃら。あきれた。 Aドイツの一日フリーの日の朝。「では、皆さん気をつけて」と先生が言った途端、誰一人残さず皆風の様に街に消えた。現地ガイドさんが 「皆さんの年齢で、こんなのありえない!!」とあきれていた。いっそチーム名をアンセル→アキレタにしてはどうだろう、と思い出し笑いをしながら、毎晩美白クリームを塗りたくっている。 でももう手遅れ(S)
Copyright © 2012 ANSER All rights reserved.