アンセルはデンマーク体操を愛好するグループです。

アンセル通信・コラム

アンセル通信

それぞれに感謝 

古川 幸子

去年(2016年)5月末にデンマークに滞在中キスから、こういう計画を立てているから、直ぐここでアンナ・リサとオレロップの ウッファ校長にメールをするようにと言われたのが、このツアーのスタートでした。「ちょっと待って、皆はもうデンマークツアーは 前回で終わりって思っているから…」と言ったものの、その滞在期間中にアンナ・リサからは「大歓迎。手伝います。」と返信をもら い、ビボーの卒業生でエリートOBチームの元リーダー・ニルスとその奥様・ヘアディスに会い、かなり煮詰めた具体案を持って帰国し ました。帰途につく飛行機の中で、発表作品は?、誰が?、何を?、手順は???と頭の中でコンピューターが動き出していました。
 結果的に私は再度ツアーリーダーをする覚悟をするだけ、後はみんなの力で気がついたら終わっていた、という印象です。 出発前には両親の生死に関わる日々が続き、体操フェスティバルの実務も沢山あり、ツアーだけに集中出来ないことも多く、 本当に行かれるのかと夜中に目が覚める時もありましたが、ツアーに参加されなかった方も含めて、メンバーそれぞれが前回同様に 力を発揮してくださったこと、それぞれを信じ任せられたことがツアーを成功へと導いてくれたと強く感じています。ツアー初日から 、途中にあったいろいろなハプニングにも、誰も騒がず落ち着いていて、リーダーである私も落ち着いて判断が出来たのは過去5回の 旅の経験があったからかと思います。
 そして今回のような形態の発表内容について、ぶれること無く進められたのも作品創り、指導の進め方など協力して、 支えてくれた鈴木さんのお陰と感謝しています。皆も頑張って練習して、集中して良い体操の発表ができました。

今回もデンマークでの全日程に同行してくれたヤーンとキスの準備協力、各地で協力してくれたアンナ・リサ先生、ヘァディスとニルス夫妻、 由理さん・クリスチャン夫妻(プログラムなどの訳文を直ぐにしてくださった)デンマーク人の友人たち、等々この場を借りて心より 感謝申し上げます。

デンマークツアーに参加して皆さんのパワーの源を知る

鈴木由起子

このデンマークツアーでは個人的に様々な経験や体験をさせていただき、 思い出深い旅行となりました。私の旅行は準備の段階から始まり、実は今もまだ続いています。
 古川先生の懐の大きさに甘えて、私は徐々にいろいろなお願いをしてきました。まずは、発表に参加させていただきたいと願ったこと 、そして次に古川先生より作品をつなげて発表することについてどのようにするか一緒に考えてほしいというお話に乗じて、繋ぎの 一環としてモダントレーニング研究会(以下モダン)の作品を合同で発表させていただきたいと願ったことです。モダンの作品を合同 で発表させていただくにはかなり高いハードルを越えなければならないと思っていましたが、意外にも古川先生は検討してくださり 、やってみたいと言って下さった方がいたこともあり実現することができました。私にとっては宇宙船から月に降り立った気分でし た。
 その後、モダンの練習や“繋ぎの作品”の練習などで皆さんと触れ合う機会が多くなり、皆さんの知られざるパワーを知ることと なりました。「子供の遊び歌」では、出演者に多くのアイディアを持った演技力を発揮していただき、日本の文化を伝える上でも “繋ぎの作品”以上の効果があったと脱帽しました。「まいご」では、発表に参加したことがない皆さんに無理を言って動いていた だきました。練習は本当に大変だったと思いますが、やり遂げていただき感謝しています。作品ごとの出入りは最初戸惑いが多かった と思います。衣装を置く場所も正面が変わると分からなくなり、会場を走ってしまった方もおられたでしょう。しかしながら、数回の通し 練習でスムーズに入れ替えができる様になっていたことに、こちらが驚いてしましました。驚いたことと言えば、皆さんのデンマーク 滞在中の食欲旺盛なことでした。ワークショップで体を動かしたことが功を奏したのだと思いますが、発表時も食べる割に良く動けて いたと思いました。おやっ?これがパワーの源でしょうか!?
 振り返ってみれば楽しいデンマークツアーで、経験した様々なこと一つ一つが良い思い出となっています。今は、力を振り絞ってツ アーのまとめの作業をしています。皆様ご一緒していただき有難うございました。

6 回目のはじめて

島村しのぶ

今回のツアーで古川先生・村松さんと共に、薦田さんと私は6回目の参加になります。この6回の中で「初めて」の事が二つ ありました。
一つは「初めてのランドステオネ大会不参加」。今までは大会の時間に合わせてかなりタイトなスケジュールを余儀なくされて いました。今回はそんなこともなくゆるりと数ヶ所で発表をするのだろう、と思った私は甘かった。大会参加に勝るとも劣らない ハードスケジュールがどこの発表会場でも用意されていました。帰国後、写真を整理していても、これを一日でこなしたのかと驚 くほどです。
それはとりもなおさず3ヶ所で受け入れをして下さった方達が、遠い日本から来た体操の仲間をもてなし、十分な練習時間を 取った上で良い発表が出来る様にと、心を砕いて準備して下さった事だと思います。『充実した経験と交流』6回のツアーの中 でも、一番心温まる思い出になりました。
もう一つは「9作品が一つのプログラム」という形式。全体が一つの流れで出来ていて退場・出待ちの場所が一人一人違う。 合宿も今まで経験したことのない形で、みんな戸惑いました。練習でも自分の出番だけで精いっぱい、バラバラがひとつながりの 感じでした。ところがデンマークに行ってからは『 全体で一つ』 という気持ちに変わってきたと思います。自分の出番でなくて も出待ちのソデで「そこだ、しっかり、頑張って、ボールを落としても平常心」 と祈るようの応援していました。大きな発表が 3回あったので、1回目でうまくいかなかった所を、次の時はどうしよう、とみんなで相談して修正する。古川先生にも「回を重 ねるごとに良くなっている」と言われて、とても嬉しかったです。
仲間と力を合わせて大きなプロジェクトを達成すること、自分達に自信を持つこと、手を差し伸べてくれる仲間の善意に素直に 感謝すること… 私が今回のツアーで感じた事です。何だか青春ドラマみたいですが、私達、気持ちはいつも青春のアンセルです!

  • 33人のツアー、どうなるのかと思ったら、日直・点呼・日誌。納得いきました。青空の下での発表、最高でした (O)
  • ツアーに参加できた事でたくさんの方々に出合い元気で生き生きと体操を楽しんでいる皆さんの姿に感動、パワーもいただきました(M)
  • デンマークの老人達は大変元気に運動し、人生を楽しんでいる様に見えました。食事はワンパターンでしたが、それが却って人生を 単純化し、生きやすいのではと思いました。日本人は複雑すぎる様な気がします。私ももっと単純にしっかり食事を摂り、楽しく運動をし、 人生を楽しみたいと思います(H)
  • 炎天下の「基本体操」発表で、アンセルが生き生きと演技している姿に感動しました。デンマーク体操を続けると、 私も皆さんの様になれるかしら? なりたいわ〜!と思いました。素晴らしい旅をありがとうございました(W)
  • オレロップ体操学校の宿は2階、美しい夕日が見られました。なんと10時過ぎ!デンマークの1日は長いです。 中庭には桜の木、何年か前に日本から贈られ大きくなったそうです。デンマークで桜を見られるとは思いませんでした(S)
  • 楽しい15日間でした☆たくさんの人との出合いと、青空の下で体操が出来た事。スコットランドでは、 明石様の解説付きで織物工場の見学ができた事。ウィスキー工場では、試飲中のぼや騒ぎには驚きました !(T)
  • 普通の旅行ではできない経験だった。あちこちで食べたケーキも美味しかったし、オレロップの大食堂で フレンドリーな学生達と共に食事をしたのも、印象深い(K)
  • 皆さんハグする様な親しい知り合いがいることに驚いた。長年の付き合いがあるのだなぁー、とアンセルの歴史に感心した(O)
  • 体操することが目的の旅は、初めての経験でした。自分にとって節目となる時期に、アンセルの方々とのデンマークの旅は、 退職後の生き方を考える良い刺激となりました(U)

マリボ・サッカー場での最初の発表

青い芝生のフィールドは、素足で踏みしめると本当に気持ちがいい。快晴を通り越して炎天下のもと、場当たりをする。経験者はご存知、 青空の下の演技発表の気持ち良さは最高。でも天井がないので上を見るとクラクラしてバランスを崩し、斜めのポジションを取ろうとしても 基準になる壁がない。鈴木先生が「センターに印を置きました」と言っても芝に埋もれて全く見えず、更に三角コーンを立てても誰かが蹴と ばしたり風で倒れたり。ジムボールも風に流されてあぁ、軽いボールじゃなくてお手玉だったら良かったのに… そんなこんなの1回目の発表、 それでもやっぱり青空と芝生の上の演技はサイコー!!

オレロップ・ニルスのワークショップ

あのオレロップの渡り廊下を通っていると、下の体育室からヒゲ面の壮年の男性が勢いよく何か叫んでいる。友景さんが「おお待っていたぞ、 早く降りて来い!…って言ってる。」え、でも知らない人だね?と思っていたら、それがニルスさんエリートOBのチームGYSの、元リーダーの方だった。 広い体育館に移動しワークショップを受けたが、最初からアップテンポでバンバン飛ばし、みんなは汗だく、でもしっかりついていく。これはもう デンマーク人の羽仁先生だ。夢中でついて行った1時間、ワークショップ終了後に 「デンマーク体操の基礎がちゃんと出来ていることが、みんな の動きを見ていて分かる」というニルスさんからの言葉が、心から嬉しかった。

ビボー・高齢者の体操

キス先生が高齢者を対象に行っている、椅子を使った体操を体験。日本人とデンマーク人が混ざって座り、上半身の体操や座面に手をつき腕立て伏せ、 足を動かすなど、とてもハードな動きに、 またも汗だく。日本の高齢者じゃ倒れちゃうよ、と小さな声も聞こえる。最高齢は92歳の男性だが、出来る所を自分のペースで動かしている。 またキス先生にツッコミを入れながら、身体より口が動いている人など、 皆それぞれに楽しんで集まっている。体操の後はいつもお茶会。今月誕生日の 二人(村松さんとつっこみデンマークおじさん)の席には小さなデンマークの旗が立てられ、皆からおめで とうの拍手。夕食会の時「デンマークのシニアは 顔が明るい。帰国したら日本のシニアもそうなれる様 な働きかけをしたい。」と感想を言った会員もいました。

ビボー・シニアのお祭り

ビボーでシニアのお祭りに参加。今まで3回の発表を終え、今回は小さなステージでの、人数を絞った今ツアー最後の発表となる。フィナーレになり、 全員が一列で舞台ソデから退場。のはずが、出口の手前で先頭の鈴木先生がいきなりクリッとUターン??舞台狭しと蛇行行進を始めた。ええっ??と思っても 前の人について行くしかなく、列の最後の方の人は一体自分はいつまで舞台の上でおしりフリフリをしていなくてはならないのか、と不安を覚えるほど。 終演後「鈴木先生!」と詰め寄ると、…鈴木先生のお茶目!

スコットランド・ネッシー

スコットランド・ネス湖では残念ながらネッシーには会えなかったが、どうしても見たい人のために、近くのちっちゃな溜池にベビーサイズのネッシー。 池のほとりにはネッシー探索に使われた本物の黄色い潜水艦。レストランには「ネッシーズ・モンスター・マッシュ」という不気味な名前のとても美味しい 黒ビールもあった。

ホテルの部屋

スコットランド・エルギンのマンスフィールドホテルは由緒ある古いホテル、新しい客室と古い客室が混在して迷路のよう。趣ある古い客室をみんなで巡る 「お部屋拝見ツアー」に出発。土屋さん・松崎さんの部屋には何故かピアノがある。岡田夫妻の部屋は広くて素敵だったが「clerk room 」 と入口のプレートに 書いてある。その隣の高来夫妻のお部屋は… トレーニング・マシーンを備え、2階の部屋なのに室内にらせん階段、その上はガラス張りのラウンジになっていて、 街を180度一望できるスイートルーム。たまたまだけれど、大当り! 皆に羨ましがられていた。

グレンフィデック・ウィスキー蒸溜所

バスから降りると空気が発酵した麦の匂い、アルコールの匂い。美人ガイドさんの案内で工場内を見学、最後に4種類のスコッチ試飲があり、3杯目を飲んだ所で、 突然火災報知器が鳴りだす。雨が降りしきる外へ避難した。これは訓練?いえいえ本物、私も初めて、とガイドのお姉さん。従業員も続々と屋外退避してくる。 煙もなく、周りもみんな呑気に盛り上がっていた。10分程して白いボディーに青い回転灯の消防車が3台到着、40分程度で警報解除。みんな寒さに震えて濡れネズ ミ、そそくさと屋内に戻り、でも忘れずにしっかり4杯目のスコッチを頂きました。醸造所で飲むお酒は、なぜか本当に美味しいのです。

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