アンセルはデンマーク体操を愛好するグループです。

アンセル通信・コラム

アンセル通信

香川ツアーを終えて

村松恭子

アンセル20周年記念事業第一弾の香川ツアーが無事終了しました。20年積み重ねたアンセルの実力が随所に遺憾なく発揮された 良い旅だったことを嬉しく誇らしく思います。
祝福されるかのように天気にも恵まれ、穏やかな風景にも心癒される思いでした。
 お招きくださった長谷川先生はじめ準備にあたっておられた香川の皆様に心からお礼申し上げますとともに、旅の計画、準備、 お揃いのパーカー、キーホルダーの制作ほか、様々なお仕事に苦心して下さった係の方々の労に感謝申し上げます。
記念事業はまだまだこれから続きます。体調を整え、気持ちを揃えて、夫々の状況に応じた参加をよろしくお願い申し上げます。(20周年記念実行委員)

20年間で培われたアンセルの実力
〜かがわ体操祭に参加して〜

古川幸子

 この度の「かがわ体操祭」は、コンパスのメンバーも含め42名が参加しました。全員が一丸となったアンセルの底力を実感 するツアーになりました。何よりも皆さんがポジティブな思いで無事に帰宅出来た事をとても嬉しく思っています。
 20年間で6回のデンマーク遠征と3回の国内遠征を通してデンマーク体操の特徴・文化を私たちが受け継いでいることを確信 しました。体操を学ぶと共に、目標に向かって準備し、実現し、達成する。その行程で切磋琢磨し、年齢相応の向上心を持って、 自分とチームの為に努力する、その体験こそが、デンマークで体操を通して人間を育てる文化なのだと思いました。私もその中で 大いに成長させて頂きました。デンマークの若者は、一連のツアーが終わると、抱き合って別れを惜しみ、それぞれの次の道へと 歩み出します。私たちは大人になってから出会いましたが、20年間で培ってきた絆はとても深く、それぞれが体操に、運営にと 実力を発揮できる安心感があります。好きな体操を指導して40年、メンバーに恵まれ、一つ一つ夢や目標を実現していかれること は指導者冥利につきます。心から感謝申し上げます。
 今回の体操の発表では、不慣れなリハーサルの流れにも良く対応し、短い時間に急所を抑えた練習が出来た結果が本番の集中力 に繋がったと思います。
 終わったことをそのままにせず、アンセル通信やホームページの記録として、外の世界に向け発信するのもアンセルの凄いところ です。
 今回のツアー最高齢の宮坂さんが、メールに アンセル万歳 !! と書いて下さって、これ以上の表現はないと嬉しくなりました。 20周年委員の皆さまを始め多くの方々に心から感謝申し上げます。
ツアーに参加されなかった方々の応援も感じました。それぞれに事情を抱えながら、でもまた、ご一緒に体操をいたしましょう。 直前に天に召された川久保さん、ご冥福をお祈りいたします。羽仁先生、堀内さん、宮田さん、御小柴さん、鈴木純子さんと一緒に これからの私たちの活動を上から応援してください。

  • 今回は素晴らしい演技をありがとうございました。私が伝えきれない事を、アンセル&コンパスさんが見せて、魅せて下さい ました。感謝感謝です。(かがわ体操祭事務局・長谷川芳子先生)
  • 会場で何回も練習できて、時間にも余裕があったので、あまり緊張せず動けた。
  • なかなか行かれない所へ行き、日本各地で体操を愛好している仲間がいると知って、とても嬉しい。
  • 遠く坂出で発表できて嬉しかった。心を一つに、目線や立ち位置、注意を思い出しながらの発表、やみつきになりそう!
  • 皆がリーダーに協力し、明るく元気なのは素晴らしい。列が揃って全員が集中していた。ユニフォームの色がきれいに映えていた。 上手下手でなく一生懸命さが演技に表れていた。(菊池洋子)
  • アンセルの力強さと基本に忠実な動きは本当に大切だ。本質的な動きは、地味だが無理がなく美しい。年齢を重ねても無理なく 続けている先輩達を尊敬します。みんなが仲良しだ、という事が伝わってきた。(友景智津子)
  • テンポの良い流行りの曲や派手な衣装で惹き付けるのでなく、全身をしっかり使い基本を丁寧にふまえた演技はとても美しく、 団体ならではの美が。「体操は美しく!」といつもおっしゃっていた羽仁先生の言葉が思い出された。(岡田まゆ・西村はるみさんの お嬢さん・大塚さんと同級生です)
  • みんなが揃っていてすごい!と思いました。はねあげて,V字バランスをするところは、すごく揃っていて、お年寄りもいるのに 腹筋が痛くないかな、と思いました。思わず拍手しました。(岡田あい・小学3年)
  • あれだけ揃うってことは沢山練習したんだろうな。(岡田裕大・小学6年)

  • 2泊同じホテルなので楽だった。会場とホテルが近かったので、良かった。
  • 思いがけず金毘羅歌舞伎の小屋「金丸座」が見学できて、良かった。
  • 八十路に至り、残りの人生をいかに楽しむか。足腰の衰えは年単位、スローダウンは否めず。「旅」は日常のマンネリから一時脱却し、 気分転換の栄養素とか。心満たされる経験は「余生を楽しむ」ことの一里塚であったと感謝申し上げたい。
  • “あんぱんまん”運転手さん楽しかった。ニコニコ笑顔の2日間良い思い出・もっと口調を聞いていたかった。 (多数の讃辞は“あんぱんまん”白川さんにお礼状でお伝えしました)
  • 尾道では石畳の坂道でいろんな猫たちの出迎えで癒された。
  • 海は水平線の左に江の島・右にえぼし岩があるのが日常。海の中に山脈の様に島が重なりあい連なっているなんて・・・ 初めて目にする不思議な美しい光景だった。
  • 初めての金毘羅宮。上まであがったことは自慢のネタにしよう。
  • 今回のツアーは皆さん大満足だったとみえ、沢山の感想を頂きました。掲載しきれなかった事をお詫びします。 全ての感想は会長・副会長はじめ20周年委員で目を通させて頂きます。

畏友 川久保 昇君を悼む

宮坂 勝郎

「貴様と俺とは同期の桜」で結ばれたのは太平洋戦争の終わる年、昭和20年(1945年)4月3日、海軍兵学校針尾分校での入校式の 日であった。戦時下の旧制中学3年半ばにして、お互い何の疑いもなくお国のために軍人になることを志願して海軍兵学校を受験して 合格し、7万余人の中から選ばれた4032人の78期生徒として新しいスタートを切った日であった。しかも貴様と俺とは同じ710分隊に 配属され、48名のクラスメイトとして共に同じ屋根の生徒館で過ごし、同じ釜の飯を食べ、日夜勉学に訓練に励んだ。
 残念ながら敗戦を迎え、故郷に帰還して戦後の新たな道を進んだが、僅か5か月ではあったが、共に切磋琢磨して築いた強い絆は切 れることは無かった。別れて22年後の昭和42年(1967年)、在京の期友有志が78期同期会の結成を企画し、貴様はその準備委員として 全国に散らばる同期生の消息発掘に勤め、当時群馬県の工場に勤務中の俺を発掘してくれた。以来78期会並びに我が710分隊会は年を 追うごとに充実し相互の絆は一層強くなった。
 平成14年(2002年)佐賀県武雄温泉で開催の分隊会の宴席で貴様と俺とは席を並んで座り杯を交わした。異常な時代の5か月間で特に 忘れられなかった海軍体操の元祖であるデンマーク体操のクラブ・アンセルへの入会を誘われた。半年おくれで入会して以来、数少ない 男性会員としてともに体操を楽しみ、海軍時代を懐古する機会を得た。会の運営にも参加し、特にホームページのリニューアルにあ たっては、貴様は「デンマーク体操の歴史」を担当し、詳細な調査の上立派な一章を仕上げた。
 貴様は愛妻の体調不良を案じ、そのためアンセルの体操練習会への参加が次第に少なくなったが、ホームページやアンセル通信を 丹念に読み、年会費を払い続けて見守ってくれていた。
 平成30年(2018年)10月2日、折から今年の710分隊会がKKRホテル東京で開催されていた最中に、お嬢様から貴様が前日夜心不全 で亡くなった旨の訃報が入り、分隊員一同、愕然とした。
貴様は、肺ガンの手術が無事成功して元気にしているが遠出は自重している、との欠席返信を出席者に知らせたばかりの時であった。  10月4日のお通夜に村松副会長と共に参列し貴様と永遠のお別れをした。さぞや無念であったことと思う。ご子息より部屋に掲げて あった「五省」の額とアンセルのTシャツをお棺に入れたことを聞いた。貴様はきっと彼の地でも目をつぶって「五省」を唱えている ことだろう。
貴様の長年の友情に心から感謝しご冥福を祈り上げる。


川久保さんを偲んで

 村松恭子

川久保さんがアンセルに入会なさったのはホームページを立ち上げて間もない頃です。 今ではあることが当たり前のホームページも当時は未知の世界に開く小さな窓のような認識で、何か反応があるのかしらと不安や疑問も あったのですが、そのホームページを見て「しっかりしたグループだと思った」と川久保さんは仰って、アンセルをたずねて下さいまし た。
「海軍兵学校時代に習ったデンマーク体操なら、と思って来たけれど、いやぁ難しい」と笑っておられましたが、気に入って下さりす ぐに同期の宮坂さん、間もなく中学の同級生の泉谷さんをお誘い下さって、男性が賑やかになったと羽仁先生、堀内さんもずいぶん お喜びだったことを思い出します。
高尾の多摩森林科学園の桜が良いと誘って頂き、みんなで山歩きのお花見と合掌作りのお食事処で美味しいお食事をいただいたのは 2005年の春の思い出です。
ホームページのリニューアルに際してはデンマーク体操の歴史を熱心に検証して下さり、どこに出しても恥ずかしくないホームページ の土台を築いてくださいました。
練習会場に困るというと高尾の施設も調べてくださったり、何でも積極的に関わる姿勢を示して頂いたのは本当に力強くありがたいこと でした。
奥様を大切にしておられ、介護を優先するのでと練習を休まれる様になっても、毎年年会費を遅れず送金して下さり、頭の下がる思いで した。いつもホームページを見てアンセルの活動を応援していますからと言って下さる明るいお声をもう聞けないと思うと寂しい限りで す。
ご葬儀に参列させて頂き、息子さん、お嬢さんにご挨拶しましたら、アンセル通信をいつも自慢気に見せてくれて、と仰り、アンセルの Tシャツを棺に入れましたと続けて言われました。週一回通っておられたヘルパーさんも、近所のご友人も「あーデンマーク体操の・・ 」とご存知で、親しくお話し下さいました。川久保さんの温かさが亡くなられてもなおその場の人々の中に留まっている様に感じられた ひと時でした。
なんの苦しみもなく逝った様です、とのご子息の言葉通り穏やかなご立派なお姿でした。お名残惜しい気持ちで一杯ですが、心よりお礼 申し上げ、ご冥福をお祈りいたします。

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